2023/07/07 / 住まいの雑学
知ると面白い!梅雨の時期に降る雨の名前
ぽつぽつ、しとしと、ぱらぱら、ざぁざぁ。雨の降り方を表現する日本語の響きは面白いですよね。日本語には雨の降り方や量、季節により雨に様々な名前がついています。本日は知ると面白い!梅雨の時期に降る雨の名前をご紹介します。
「梅雨」は「つゆ」、もしくは「ばいう」と呼び、梅の実が熟す時期の雨、雨が多く黴(かび)が生えやすい天候のため「黴雨」(ばいう)と呼ばれているそうです。また、梅雨の時期に入ることを「入梅」(にゅうばい)と言います。
『栗花落』この漢字何と読むかわかりますか?
「つゆり・ついり」と読みます。栗の花が落ちる時季がちょうど梅雨入り頃のため、栗の花が落ちると書いて「つゆり・ついり」という読み方があてられました。
人気アニメのキャラクターの苗字でもありますが、全国に数人しかいない珍しい苗字なのだそうです。
「五月雨」(さみだれ)は旧暦5月に長く降る雨のことで、現代の6月頃つまり梅雨の時期に降る長雨のことを表した言葉です。
「五月晴れ」(さつきばれ)は梅雨の晴れ間のことを意味します。
五月雨の異名として「卯の花腐し」(うのはなくたし)という名前があります。
「卯の花」とはウツギの花のことで、旧暦の4月の「卯月」(うづき)は「卯の花(ウツギ)が咲く月」という由来があります。
旧暦の4月(現代の5月頃)に咲いたウツギの花が腐ってしまうほど長く降り続く雨ということですね。
「男梅雨」(おとこつゆ)、「女梅雨」(おんなつゆ)とはどんな雨だと思いますか?
「男梅雨」は晴天の日が多いけれど降る時はとても激しくザーッと降り、止む時はカラッとすっきり晴れる梅雨のことを言い、「女梅雨」はしとやかな女性を思わせるようなシトシトと雨が降り続く梅雨のことを言います。
今年の梅雨は女梅雨ですかね?男女の性格と雨を重ねたとてもユニークな名前ですね。
「送り梅雨」とは梅雨を見送るという意味があり、梅雨明け頃に降る大雨のことを指します。
雷を伴うことが多く、集中豪雨になることも。降り方が激しいことから「暴れ梅雨」とも言います。
「送り梅雨」という言葉には「早く梅雨の時期が終わって欲しい」、「送り出したい」という意味も込められているそうです。
「戻り梅雨」とは梅雨が明けた後も雨が続いたり、いったん晴れた後再び梅雨のような天気になる事を指します。「返り梅雨」、「残り梅雨」とも言います。
最後にご紹介するのは七夕にちなんだ雨の名前です。
「洗車雨」(せんしゃう)とは七夕の前日、7月6日に降る雨のこと。
七夕は、織姫と彦星が1年に1度唯一会える日だとされています。その日のために彦星が織姫に会うために使う牛車があるのですが、それを7月6日に洗車することからこの名前が付いたとされています。
「洒涙雨」(さいるいう)とは7月7日の七夕に降る雨のこと。
・織姫と彦星がようやく会えたのに、またすぐにお別れしなければならない。その時に流す涙。
・当日に雨が降ってしまったため、天の川が増水し2人が会えなかった時の哀しみの涙。
・再会を喜び2人で嬉し涙を流している。
など諸説あります。どれもロマンチックですね。
七夕と言えば織姫と彦星が年に一度会える日というイメージですが、なぜ二人は年に一度しか会えなくなってしまったのかご存じですか。
織姫は天の神様の娘で、機織りが上手な働き者でした。働いてばかりいる娘を心配して、神様は娘の結婚相手を探します。天の川の向こう岸に住む働き者の牽牛(けんぎゅう・牛の世話をする人)を見つけて二人を引き合わせました。
二人はお互いを気に入りめでたく夫婦になったのですが、いつまでも二人でおしゃべりばかりして全く仕事をしなくなってしまいます。怒った神様が二人を引き離し、年に一度7月7日の七夕の夜だけ天の川を渡って会うことを許したというお話です。
短冊に願い事を書く行事のように思われがちですが、こういう行事の背景を知るとより一層楽しめるのではないでしょうか。
いかがでしたか。梅雨にまつわる雨の名前だけでもこんなに沢山あるなんて驚きですよね。名前の由来に思いをはせてもう少し続く雨の季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。