2020/05/01 / 外構
注意!旗竿地の外構で気をつけておきたい2つのこと
その名の通り、土地の形が写真の旗竿のような形になっている土地のことを「旗竿地」と言います。
敷地の道路に面する部分が狭く(建築基準法では最低2m)通路のようになっており、その奥に家などが建つ敷地がある形状の土地のことです。
つまり、細長い通路=竿、家が建つ部分=旗というわけですね。
旗竿地はほとんどの場合、道路に面した竿の部分が駐車場兼玄関までのアプローチになり、その奥の旗の部分に建物が建てられます。
そこで、これから旗竿地の外構を計画する際のアドバイスをさせていてただきます。
注意していただきたいことは2つ
まずは、外構計画を始める前、土地を買ったり建物の設計をしたりする際にチェックしておかないといけないことがあります。ここをチェックせずに計画を先走ってしまうと、後々後悔することになってしまいます。
前にも書いたように、旗竿地の道路に面した部分は建築基準法では最低2mと決められています。ですが、この部分は多くの場合、駐車場となる部分です。2mの幅しかない土地だと、車の出し入れがとても大変ですし、停まっている車の横を歩いて建物に入る動線も確保できなくなってしまいます。
車は車種によってサイズが様々なので、お持ちの車にもよりますが、、駐車場の横幅寸法は最低でも2.5mは必要です。
さらに、旗竿地の場合、車の横を人や自転車が通れるようにしたり、カーポートを建てるならカーポートの柱分、駐車場の有効寸法が狭くなったりするので、プラスαのスペースを確保する必要があります。
そういった点を考慮すると、2.5mでもまだまだ足りません…理想は3.0m以上となります。
※車種によってかなり車幅は違いますので、お持ちの車の車幅+1~1.5mを目安に計算してみるといいですよ。
まずは土地の購入の際、この部分をチェックしておいてください。
二つ目は、少し専門的な話になりますが、外構計画の前の建物の計画時にチェックしていただきたいところです。
駐車場に使われる道路に面した部分は、車の乗り入れがしやすいようにコンクリートなどで固められるようになります。
この時、駐車場に水たまりができないように「車庫勾配」というものを計画する必要があります。車庫勾配とは、コンクリートなどの土間に少しだけ勾配をつけて水が流れるようにすることで、一般的には道路側に向かって2%の勾配を取ります。
車1台分のスペースがある旗竿地の場合、駐車場部分の奥行きが6m(6000mm)だとすると道路に向かって2%の勾配をつける場合は、6000mm×0.02=120mm
120mm(12㎝)、道路から駐車場の奥まで、12㎝の高低差をつけなければいけないということです。
もし、駐車場が2台分の奥行きがある場合はその倍近く高低差が必要になりますね。
しかし、その高低差を考慮しないまま、建物の基礎を作ってしまうと、駐車場に車庫勾配が取れなくなってしまい、水たまりの原因になることがあります。
実はいうと、車庫勾配が取れない場合でも側溝を作ったり、透水性のある素材で舗装をしたりして水たまりを防ぐことはできるのですが、そうなると費用や工期が余分にかかってしまいます。
余計なコストをかけず、上手に家を建てるなら車庫勾配を視野に入れて、建物の計画をしましょう。
この記事を読んで、「こういうことって、当然ハウスメーカーさんや工務店さんが考えてくれるんじゃないの?」
と思っている方が多いかと思います…
が、残念ながら、ハウスメーカーさんや工務店さんは“建物のプロ”であり、“外構のプロ”ではありません。
現実問題、外構専門店に外構の相談に来られる方の計画図面を見ると、「外構のことあまり考えられてないなー」と感じる図面があることもしばしば…。
(もちろん、しっかり計画されている業者さんもいますよ!!)
さらに、外構の相談に来られた時には建物の計画はほぼ確定していて、変更が難しくなっている場合も少なくありません。
手遅れになって余計なコストや工費がかかってしまわないように、自分でしっかり必要な部分のチェックをするか、早い段階で外構のプロにも相談をすることをおススメします!